iPhoneも中身はこんなんですよ、きっと。
2009-09-16


禺画像]
私がスチームパンクなどというと、
ここで書いて来た趣味から、
多少違和感を持たれたりするかも知れないが、
意外と嫌いじゃなかったりする。
 
これに限らず私には、
やや相反した趣味が同時に存在することがある。
年齢によってどちらかに多少重心が移るという訳だ。
 
スチームパンクの定義はいろいろあるだろうが、
ここでは一番緩い定義を採用し、
そのようなテイストでデザインされたものとして扱う。
 
現代に作られたスチームパンクのガジェットの中には、
ルーブ・ゴールドバーグ・マシン、
いわゆるピタゴラ装置のようなものも少なくない。
つまり簡単なことを複雑なシステムで行うのだ。
 
実際、組み込まれた歯車やダクトやゲージなどが、ただの装飾では今ひとつ魅力がない。
同じ無駄なことをやるのなら、例えわざわざ遠回りをしているにしても、何らかの実用的な意味が欲しい。
 
映画「タイムマシン」(2002年)はストーリーはともかく、
出てきたタイムマシンの真鍮製とおぼしき時間のメーターがよかった。
かなりピカピカのマシンなのだが、私は単に懐古趣味や骨董品趣味で見ている訳ではないので、
それ自体は先端のシステムだという雰囲気は欲しいのである。
使い込まれた感じならばまだよいが、単に倉庫で眠って古びただけのものではつまらない。
 
特に真鍮が素材に使われていると、何と言うか、ひなびたゴージャスさがあって、なかなかそそる。
若い頃、バリゴ社のウェザードームが欲しかった。温度計と湿度計と気圧計がついているやつ。
結局手に入れなかったのだが、実はまだ密かに狙っているのは家族には内緒である。
 
100年前のデザインアプローチで現代のテクノロジーを再現したらどうなるか、という試みは、
一時の流行も過ぎ今更の感じもあるし、そもそも多くの人に受け入れられないかも知れない。
しかし最近次々と発表されている携帯電話のデザインをみる度に、
現代のモダンデザインが、ややもすると行き詰まり、閉塞感がただよっているようにも感じられる。
 
もっとも、こんな眼鏡でもかけて私が街を歩いていたら、閉塞感どころの話ではない。
怪しい男がいると誰かに通報されて、狭い檻の中で本当の閉塞を味わうことになるに違いない。
 
[意匠<design>]

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