モノクロ写真でも、鮮やかにカラーの情景が浮かびます。
2009-11-14


禺画像]
結婚記念日に記念品として、
「Full Moon」という写真集を買った。
10年前に出版された、
Michael Light監修の洋書である。
 
誕生日やクリスマスなどと違い、
高価なプレゼントをするというのは、
本来はそぐわないのではないかという考えで、
毎年、ちょっとした記念品を買うことにしている。
 
ハードカバーの236ページ。
アポロ計画で実際に撮影された、
オリジナルのフィルムからスキャンした、
世界初・唯一のデジタル画像が収蔵されている。
 
一見すると殆どの写真がモノクロに見えるかも知れないが、全てカラー印刷である。
漆黒の宇宙空間が、黒ベタのバック処理とあいまって重厚感たっぷり。
本の重さのうち、半分はインクが占めているのではないかと思える程だ。
 
アポロ16号の月着陸船パイロット、Charles M. Dukeの家族の写真が、
デカルト・クレーターの北50kmの高地に置かれた様子の画像もある。
NASAの月探査機エルクロスの調査によって、月に水があることが確認されたが、
褪色はともかく雨に流されることも、もちろん風に飛ばされることもなく未だにその地にあるに違いない。
 
写真という媒体が持つ記憶を留めおくという力は圧倒的で、
それは、かのパイロットの家族の写真であれ、それが掲載されている写真集であれ、
タイミングが悪く、目をつぶって変顔に写ってしまった彼女の写真であれ、
どんな財産よりも価値を持つことがある。
SFなどで描かれる人造人間も思い出が欲しくて、何でもないスナップ写真を何枚も残すのではなかったか。
 
折にふれ、なるべく写真や動画を撮ろうと思っている。
年老いて記憶力が怪しくなってきた時でも、いやまさに今でも鮮やかに実に正確に思い起こさせてくれる。
そしてそれが呼び水となって、それに連なる様々なことを細部まで想起させるのである。
 
無論、写真をたくさん残したからといって、その数だけ印象的な思い出が増える訳ではない。
しかし、蘇らせるスイッチとなるならば、十分その価値があるのではないか。
 
断っておくが、まだまだ思い出を増やすつもりである。
たとえフルムーン旅行の有資格者となっても、早々と認知症の心配をしている訳ではありませんぞ。
 
[雑記<memo>]
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