あの娘の寝言を聞いたよ ほんとさ 確かに聞いたんだ
2009-05-12


禺画像]
市営グランドの駐車場で、
彼女と毛布にくるまって寝た経験など無いのだが、
そんな事があったような気がしてしまう。
これも音楽の力だろう。
 
先日の葬儀を伝えるTVニュースを観ながら、
そんな事を考えていた。
 
そして古い友人のことを思い出したのだ。
 
彼は私よりいくつか年下で、
インディーズでバンドを組み、
ライヴ活動を積極的に行っていた、
ヴォーカリストだった。
 
まだお互い若い頃、酒を飲みながら色んな話をした。
その時彼が私の仕事について、カッコいいステキな職業だというような意味のことを言った時、
私は大きくかぶりを振って、
素晴らしい音楽は、聴く者の魂をも揺さぶり、
人生さえも、あるいは過ぎ去ってしまったはずの人生の記憶さえも変えてしまう。
そんな事ができる仕事など他にどれだけあるだろう。
音楽こそ、私の仕事にはできない事ができる、素晴らしいものではないかと言った記憶がある。
 
私はその後、妙に老成してしまい、彼らのライヴからも遠ざかってしまっていたのだが、
1年ほど前に久しぶりに彼のライヴに行ってみたのだった。
懐かしや、あれからの長い年月、彼はずっと活動を続けていたのである。
昔と変わらぬ少しハスキーな声は、私を確実に青春に引き戻してくれた。
 
ついぞメジャーデビューは叶わなかったようだが、
相変わらずの輝くようないたずらっぽい笑顔が、今の私には眩しく見えた。
 
彼もまたあの男の影響を強く受けていたと思う。
葬儀に際して何を思ったのだろう。
 
それにしても葬式の形態もいろいろである。
私の葬式がいつどのような形で行われるか分からぬが、一つ残念な事がある。
それは、おそらく喪服が抜群に似合うと思われる彼女の姿が見れない事だ。
何とか執念で棺桶の隙間から覗けないものか。
 

 
(「スローバラード」作詞 忌野清志郎/みかん)
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